良いところをまず伝える「良い出し」レッスンをしましょう
こんにちは、千葉市海浜幕張のピアノ・ボーカル・話す声のボイストレーニング アミーズ音楽教室 主宰の安藤歩です。
レッスンではよいところを伝える
私の教室では、いろいろな先生にレッスンを担当していただいています。
教室のポリシーとして、私は教室で働いてくださる先生方に
ダメ出しではなく良いところを伝えるレッスンをしましょう!
と、お願いしています。
皆さんもピアノでこわ~いレッスンを受けた経験、ありませんか?
昔はダメ出しレッスンが当たり前でしたし、そんなレッスンを受けた経験、私にもあります。
昔のレッスンでは
今から15年前、私の音楽教室の先生としてレッスンを担当していた先生からこんな質問をされました。
レッスンって、生徒さんのできていないところを伝えて、できるようにするものじゃないですか。
私たち先生はそのためにお金をもらっています。
できないところを注意しないなんて、仕事をサボっているのと同じじゃないですか?
その頃の私はすぐに返す言葉を見つけられず、ただ黙って聞いているだけでした。
でも心の中には大きな違和感があったのです。
(だから何年たってもこのことを思い出してしまうのです、、)
私に質問してきた先生は何でもテキパキこなして、生徒さんの親御さんにも信頼されていました。
・・・でも、なぜか退会者が多いのです。
レッスンはお子様だけでなく大人の生徒さんもいらっしゃいましたが、レッスン始めるときは柔和なお顔の生徒さんが、レッスン終了時には不機嫌そうな顔で出てくることをたびたび見かけました。
子どもの生徒さんだけではなく、大人の生徒さんも、です。
なぜ?
その先生は大変熱心でした、だから先生の思い通りに生徒さんが弾けないとことを指摘しとことんやらせる、という感じで指導されていました。
できていないところをまず伝え、徹底的にやらせるというレッスンです。
ピアノの先生に多いタイプです。
楽しい気持ちの持続が大切
・・・今の私には理由がわかります。
私たち先生の仕事は、生徒さんにダメ出しすることではないですよね。
できていないところを伝えて、できるようにするのが仕事、、ではないのです。
できないことを伝えるのはもちろん大切なことですが…
音楽への興味を失わせず、その興味をかきたて、楽しい気持ちを持続させてテクニックを磨いていけるよう生徒さんを導くことこそが大切なのです。
仕事の意味を間違って理解していると、一生懸命やればやるほど上手く行きません。
車のブレーキを踏むところをアクセルを踏んでいるようなもので、止まりたいのにどんどんスピードが出てしまってる感じです。
今の私は言い切ることができます。
先生の仕事は、まず生徒さんに良い出しすることです。
ダメ出しの反対が良い出し。
良いところを伝えることです。
いいと思ったことを伝える
誤解されないように言っておきますが、何でも褒めておけばいい、というのとは違います。
良い出しは、先生であるあなたが「いいね〜」と思ったことを生徒さんに伝えることです。
例えば、ある生徒さんは体格がいいので大きな音が出せます。
その一方で音が乱暴な印象を受けます。
こんなときはまず、
元気いっぱいに弾けたね。
と、まず元気よく大きな音でのびのび弾けたことを伝えます。
次に、
ここは少し静かに優しく弾けると、元気なところがより元気に聞こえると思うよ。
〇〇さんのピアノの音は力強くて素敵だから、静かな部分を優しい音で弾けるともっとも良くなるね!
注意する前後に良い出しを入れるといいですよ。
つまり
良い出し → 注意→ 良い出し です。
サンドイッチみたいに、良い出しパンで注意を挟んでみましょう。

生徒さんも気持ちよくその「注意」を聞いてくれますし、音楽への興味をかきたてつつ先へ進むことができます。
繰り返します。
先生の仕事は良い出しです。
安藤 歩
あんどう あゆみ
アミーズ音楽教室 主宰
この記事を書いた人
音楽教室経営26年。ピアノ指導実績のべ5000人。『女性起業家のためのボイスレッスン』、シニアのための『いい声トレで歌いましょう』を考案し、都内や千葉でセミナーやイベントに登壇。メディア取材を受ける。
