音を間違わず完璧に弾くことより美しい音で弾けるようになってほしい

こんにちは。アミーズ音楽教室講師の坂井美登里です。

完璧に弾きたい子どもたち

幕張ベイパーク教室には、たくさんの幼稚園・小学校低学年の生徒さん達がピアノを習いに来てくれています。

そんな子供達を教えていて、よくあること。 

それは…「間違わずに弾きたい!つっかえるとイライラしちゃう(>_<)」です。

ある日のレッスン。

先生、私けっこう練習してきたよ!

と、自信満々、笑顔で弾き始めたAちゃん。

ところが、途中で指がもつれて、つっかえてしまいます。

もう一回最初からやってもいい?!

と、再度チャレンジするも…やっぱり同じ場所でつっかえてしまいました。

もうやだぁ(>_<)
朝、おうちでやったときは、ここ、できたのに!

と、一気に泣きそうな顔に。 (^^;)

でもAちゃん、つっかえてしまうのは、たった1ヶ所だけなのです。

そんなことより、おうちでの練習を頑張っただけあって、音楽的にもすごく綺麗に表現できています。

だから、音をつっかえてしまうのは、実は大したことないんですが…。

子供たちとしては、“完璧に弾きたい” んですよね。

そばで聴いている大人からしたら、ほんの小さなミスタッチでも、子供にとってはとっても悔しいし、取り返しのつかない失敗をしたような気持ちになってしまうのでしょう。

音楽は感性で奏でるもの

そんな時、私は子供達に

つっかえてもいいんだよ。
先生も子供の時、いっぱい間違えてたから大丈夫!
それより、いい音で弾くことが大事だよ。

と伝えるようにしています。

つっかえてしまうところは、練習の仕方を工夫したり、根気強く練習を続けることで、必ず弾けるようになる日が来ます。

それよりも大切なのは 、“いい音で弾く習慣”を小さいうちから身につけること。

音楽は、感性で奏でるもの。

音を間違わず完璧に弾くことより、美しい音で弾けるようになってほしいと願いながらレッスンしています。

とは言っても、小さい子に打鍵のタッチを説明しても理解できないだろうし、苦痛を与えるだけです。

分かりやすい例えを使って伝えます

そこで、私流の教え方。たとえば…

腕や手首が固く、乱暴な弾き方をしてしまう子には

ワンちゃんやネコちゃんを撫でてあげるときって、どれぐらいの強さで触るかな?
鍵盤を、かわいいワンちゃんだと思って弾いてごらん(^^)

こんな方法で説明しています。

そうすると、あっという間に、やわらかくて綺麗な音が出せたりします。

頭と心が柔軟な子どものうちに

ちなみに、おうちでの練習に付き添って下さる保護者の皆様も、“ミスせずに弾くこと” に、ついこだわってしまいがちなようです。

だけど、それよりもっと大切なことがあります。

頭と心が柔軟な子供のうちに、“いい音で弾く” 感覚を、ぜひ養ってほしいと思います♪

写真は、発表会でピアノを弾く5歳の頃の私です。

とっても優しくて、毎回楽しいレッスンをして下さる先生に習っていました。

だからピアノが大好きで、将来の夢は?と聞かれたら「ピアニスト!」と即答していました。

当時の私が、今の私の姿を見たら、何て言うかな?(笑)

坂井 美登里

 さかい   みどり

アミーズ音楽教室 ピアノ・ボーカル講師

この記事を書いた人

ドイツのハンブルグ スタインウエイ社主催の子供のためのピアノコンクール第2位。ドイツ国内の数々のコンクールに入賞。
ピティナ・ピアノコンペティション全国決勝大会に進出。
第18回全国決勝大会C級ベスト20賞、第20回全国決勝大会D級銅賞を受賞。オーケストラとピアノコンチェルトを共演。
高校入学後、声楽を学び東京芸術大学音楽学部声楽科卒業。同大学院音楽教育専攻修了。
二期会オペラ研修所第56期マスタークラスを優秀賞にて修了。「二期会新進声楽家の夕べ」出演。
市川市文化振興財団第23回新人演奏家コンクール声楽部門最優秀賞。韓国・ソウルで現地のオーケストラと競演。
数々のオペラ出演、べートーヴェン「第九」、モーツァルト「レクイエム」などのソリスト。保育園や小中学校での子供向けコンサートにも多数出演。
現在聖心女子大学講師。二期会会員。

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