ボランティアの出張演奏で胸がいっぱいになったこと

こんにちは!アミーズ音楽教室講師の細川千賀子です。

介護施設での演奏活動

音楽教室外での私の活動のひとつに『介護施設にボランティアで出張演奏すること』があります。

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つい先日も、チェロ奏者の友人と2人で、千葉市内のデイサービスセンターにお邪魔しました。

センター職員の方々にお話を聞いたところ、

「コロナ禍の間は、演奏してもらうことも自分等が歌うことも控えていたため、入所者さんたちも、音楽に『飢えている』方、歌うことを『忘れた』方など色々です。
実は、私たち職員が一番、音楽を聴きたいんですよね!

とのことでした。

確かに!ストレスも多かったことでしょうね。

演奏する会場(施設の食堂スペース)には、20数名の入所者さん(前列に、比較的元気な方・後列は車椅子だったり認知症などで、症状の重い方)と、付き添いのご家族も着席されていました。

私たちは、チェロの演奏と、手持ちのキーボード🎹(会場にはピアノは置いていないので)での弾き語りで、
歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲や、歌劇「ジャンニ・スキッキ」から『私のお父様』などを演奏しました。

この『歌劇(オペラ)』の筋書きについて簡単に説明し、「根本的には、現代のテレビドラマと同じなんですよ!」と言ったとこr、爆笑と一緒に「そうなのか〜」と頷いている方も何名か見られました。

ご一緒に歌って

会場では、有名曲を演奏した際に、低い声でメロディーを口ずさむ方も少しずつ出てきました。

そこで、

「では、今度は皆さんで歌いましょう!」

と、お声がけし、「ふるさと」などの文部省唱歌や、昭和初期の流行歌を次々と歌っていただきました。

ラストに「青い山脈」を歌っていただいた際は、歌詞もうろ覚えな私を横目に、皆様は大きな声で四番歌詞まで熱唱!さすがです!

演奏終了後に

コンサート終了後に、男性の入所者さんから花束をいただきましたとき、

『僕はね、ハーモニカが趣味だったんだけど、脳梗塞の後遺症で口が歪んで、吹けなくなってしまったんだ。
良い音楽を聴くと、自分も元気になって、また吹きたいなぁと思うねえ。』

とのコメントをいただきました。

「そうなんですね、どうぞお大事に」としか言えない自分が何とももどかしく感じました。

私たちが楽器などの片付けをしていると、1人の車椅子の女性が、こんなメモを下さいました。

いえいえ、もう、そのお気持ちだけで嬉しいです!」

と、私がお伝えすると、

『ここ最近、歌いましょう、なんて言われても歌う気にならなかったのに、今日は久しぶりに大きな声で歌いました。ありがとう。』

とのお言葉が!

もう、胸が一杯になってしまいました。

私、音楽やっていて良かった!

どんなときでも楽しんで

私は、コンサートホールでの公演であろうと、ボランティアの小さなコンサートであろうと、「どれも立派な『ステージ』」だと思って楽しむことにしていますが・・

もしかしたら、私が「楽しい」と思って演奏や指導したことは、聴いてくださる方にも「楽しこと」として伝わっていたのだろうか?

仮に『頼まれた仕事だからしょうがないよね』なんて思って演奏なんかしたら、やっぱりお客様もつまらないんだろうか・・などと考えながら、その介護施設を後にしました。

どんな時も

誰の前でも

心を込めて演奏する

私にできることを続けていこうと思います。

細川 千賀子

ほそかわ   ちかこ

アミーズ音楽教室 ピアノ・ボーカル講師

この記事を書いた人

千葉県立津田沼高等学校音楽コースを経て、桐朋学園大学音楽学部声楽専攻卒業、同大学研究科声楽専攻修了。
現在「オペラ・アリアから演歌まで」をキャッチフレーズに、近隣の音楽教室や合唱団で指導・指揮を務める傍ら、0歳児から聴けるファミリー向けのコンサートや、老人福祉施設での訪問演奏など、地域のニーズに合わせたステージ活動も行っている。
「音楽の森」ヴォーカリスト、江東区音楽家協会員。

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