曲のイメージを膨らませてより音を楽しんでほしいと願うのです
こんにちは!アミーズ音楽教室講師の細川千賀子です。
曲が仕上がって
先日のピアノレッスンのことでした。
曲が仕上がって、やることがなくなったと思ったのか、Yちゃんが少し退屈そうにしていました。
「もう一回、曲を通して弾いてみようか。」
「えぇ?また弾くのー?もうできてるからいいじゃん!」
「いいえ、そうじゃなくてね。もっと元気に、カッコ良く弾けたらいいよね、と思って。」
そう言いながら私が演奏してみせるのですが、彼女は今ひとつ、ピンとは来ていない様子。
さて、どうしましょう・・
そうだ!
オーケストラと一緒に
「ねぇ、Yちゃん。この曲は本当はオーケストラで演奏する曲なんだよね。ちょっと、これ見て!」
私は携帯電話でネット検索し、彼女が弾いている曲の原曲(オーケストラ版)を演奏している動画を見せました。
「この、楽譜の中で大きな音で伸ばしているところはトランペットで吹いてるの。
左手パートが低い音で『ド・ソ・ド・ソ・・』と繰り返す所は、2つの太鼓(ティンパニ)を思い切り叩いているのよ。」
と、横で説明しながら見せて行くうちに、退屈そうだったYちゃんが、何やらソワソワし始めました。
「私、これ(動画)と一緒に弾いてみる!」
こうして教室内で、オーケストラ(動画だけど)とYちゃんのピアノとのコラボが始まりました!
多少、音がずれてしまうことなど気にせず、Yちゃんは、オーケストラの団員や指揮者になったつもりで、とてもノリノリで弾き終えました。
イメージを膨らませて
「ピアノの演奏ではオーケストラの大勢の音は鳴らないからね。
Yちゃん1人で楽しく弾けるかな?」
「大丈夫!」
ひと昔前なら、教室にオーディオ機器がないと、こんなこともできなかったかも知れません。
便利な時代になったものです(笑)
楽譜通りにキチンと弾くのはもちろん大事なこと。
でも、「こういう曲なんだよ」と、イメージを膨らませて弾くことで、生徒さんの演奏も『音学』ではなく、音を楽しむ『音楽』であってほしいと願う今日この頃なのでした。
細川 千賀子
アミーズ音楽教室 ピアノ・ボーカル講師
この記事を書いた人
千葉県立津田沼高等学校音楽コースを経て、桐朋学園大学音楽学部声楽専攻卒業、同大学研究科声楽専攻修了。
現在「オペラ・アリアから演歌まで」をキャッチフレーズに、近隣の音楽教室や合唱団で指導・指揮を務める傍ら、0歳児から聴けるファミリー向けのコンサートや、老人福祉施設での訪問演奏など、地域のニーズに合わせたステージ活動も行っている。
「音楽の森」ヴォーカリスト、江東区音楽家協会員。
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